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方策2「街なかふるさと」 構想 シンふるさと論 ⑦

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 5月14日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 基本的視点

  2. 「都市の中のふるさと空間」づくり

  3. 期待される効果

 

  

1.基本的視点

現代の都市生活では、ふるさとへの郷愁を感じる機会が少なくなっています。

しかし、「ふるさと」は必ずしも生まれ故郷や移住先にあるものではなく、人が親しみを持てる場所そのものを指すと考えられます。

そこで、都市の中に「ふるさと」を感じられる空間を創出し、都市住民が日常的に地域とつながる環境を整備することが求められています。

「街なかふるさと」構想は、都市にいながらもふるさとの温かみを感じられる場を提供し、地域と都市を結びつける新しい仕組みを目指します。

 

2.「都市の中のふるさと空間」づくり

都市の様々な空間を活用し、ふるさとを感じることができる場を整備します。

 

1. 「ふるさとマルシェ」の開催:都市の公園や広場を活用し、定期的に地域物産展や郷土芸能のイベントを開催します。

地方自治体と連携し、地域の特産品を販売するマルシェを開催することで、都市住民が地域の食文化や伝統に触れる機会を提供します。

2. 「ふるさと体験ブース」の設置:都市の駅や商業施設内に、地域の工芸品や食文化を体験できるブースを設置します。

例えば、郷土料理の実演・試食会や、伝統工芸のワークショップを定期的に開催し、都市の中で地域文化を身近に感じられる仕組みを構築します。

また住民が自由に地域の伝統工芸品や食材を持ち寄り、交換・シェアリングできる仕組みも整備します。

3. 「ふるさと地域クラブ」の設立:特定の地域をテーマにしたクラブを都市部に設立し、その地域の出身者やファンが集まる場を提供します。例として、「沖縄クラブ」「東北応援コミュニティ」などを設け、定期的な交流イベントや料理教室を開催します。

4. 「ふるさとシェアハウス」の展開:都市の中に、特定地域をテーマにしたシェアハウスを設置し、地域にゆかりのある人々が共に暮らせる環境を提供します。

例えば、「北海道のふるさとシェアハウス」を東京に作り、住人同士で北海道の食材を活用した料理を楽しんだり、北海道の行事を再現することで、都市にいながら地域とのつながりを感じられる場を創出します。


3.期待される効果

1. 都市住民が移住せずにふるさとを感じられる

移住のハードルを越えなくても、都市の中でふるさとを感じられる仕組みを作ることで、多くの人々が地域との関わりを深めることができます。

2. 地域文化が都市の中に浸透し、多様なふるさと体験が可能になる

地域文化が都市の中に根付き、住民が日常的に日本各地の伝統や食文化を楽しむことができるようになります。

3. 地域経済と都市住民の関係が深まり、新たな消費・交流の機会が生まれる

都市住民が地域の特産品を継続的に購入したり、イベントを通じて地域の人々とつながることで、新たな経済活動が生まれます。

 

「街なかふるさと」構想は、都市の中でふるさとを感じられる場を提供し、都市と地域の新たなつながりを生み出す試みです。

都市にいながらも地域と関わることで、都市住民のライフスタイルがより豊かになり、地域の活性化にも貢献します。

ふるさとは単なる「場所」ではなく、人々がつながることで生まれるものです。

この構想を通じて、都市と地方の関係がより深まり、持続可能な地域社会の形成につながることを期待しています。


 
 
 

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