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技術革新によるビッグデータの可能性 エリアクオリア指標の可能性と課題 ③

【内容】

  1. 人流データの活用

  2. 口コミデータの活用

 

エリアクオリア指標では、2つのビッグデータを活用して、街への共感や話題性などを計測・可視化しています


1.人流データの活用

KDDIグループの現状サービスでは、スマホなどの通信データからGPSを活用した位置情報は10Mメッシュ、最速2分で提供可能だという事です。

さらにその行動特性から居住者・勤務者・来街者などの属性把握ができます。

従来のアンケートやカウント調査に代わって、時間別・場所別にお客の性別・年齢がきめ細かく分かるだけでなく、滞留時間や回遊状況まで把握できるわけです。

従来の来街者調査では、限られた平日・休日に、限られた場所(主要導線数カ所)の通行者数を目測でカウントしていました。

通行者の性別はともかく年齢についても、観測者の推測で振り分けるという極めて曖昧な手法が取られていました。

アンケート調査では、「どこから来たのか?」「どんな目的で来たのか?」「どれくらいお金を使ったのか?」などが質問されます。

「隠しておきたい」「見栄を張りたい」「特に考えていない」などの心理作用も働く中で、路上で質問されて何割の人たちが正確(正直?)に応えるでしょうか?

通信事業者の行動データを活用すれば、アンケートやカウント調査に代わって、対象エリア全体に対し指定期間全般にわたって、時間別・場所別にお客の性別・年齢がきめ細かく分かります。

さらに滞留時間や回遊状況、将来的には(個人情報は隔離した上で)消費額まで把握できるわけです。

エリアクオリア指標では、来街者の【人流データ】として計測し活用します。

 

※(株)ハピネスプラネットの矢野和男氏が開発した「ハピネス係数」は、幸福度について直接的に計測できる実験結果もあり、非常に興味深い手法なのですが、専用アプリをダウンロードする必要がある為、大規模なデータ収集が困難であると判断しました。

 

2.口コミデータの活用

(株)角川アスキー総研が開発した「X(旧Twitter)トレンド解析」は、国内で唯一X社から全量データの利用を許可され、東京大学との連携によってキイワードから性別や年齢などの属性を推定(確率80%)できるようになっています。

どんな人が「渋谷」や「新宿」など特定の街に対して、どのような「ワード」が発信されているのかが、解析可能になっています。

「人流データで実数だけわかっても、仕方がない」という声をよく聞きます。

人流が増えたとしても、その原因もわからないし、どのようにすれば人流を増やすことができるのかもわからないからです。

「X トレンド解析」により、街の情報発信力と特化した街の特徴・強みの可視化し、【口コミデータ】として活用していきます。

さらに詳細解析では、例えば「グルメ」カテゴリーで「タピオカ」などが抽出されると、この「タピオカ」との「共起語」を追跡することで、「店名」や「イベント名」まで明らかにすることが可能です。

店舗キャンペーンやイベントの効果測定への活用が期待できます。

既存の定性的調査であるアンケートの問題点について、行動経済学の権威で、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授(米国)が提唱する「システム1とシステム2の理論」に沿って説明します。

「システム1」とは「早い思考」と呼ばれ、歩くときは左右交互に足を出す、青信号になったら横断歩道を渡るといった「定常的な思考」で、日常行動の大部分で作動されています。

それに対して「システム2」とは「遅い思考」と呼ばれ、「〇〇とは何か?」「なぜ〇〇なのか?」と、行動の前に立ち止まって思考を巡らせる動作になります。

日常的には感情で動く「システム1」が作動しているのに対して、アンケートで抽出されるのは「システム2」の理性的な回答になり、本来の行動との乖離が大きいということになります。

さらに、従来のアンケート調査では、設問による意図的な誘導や、日本人独特の自己肯定感の低さが課題になっていました。

「口コミ」というと、バズる・煽情的というイメージがありますので、正確には「プレーンワード(素朴な呟き)」と再定義した方が良いと思います。

エリアクオリア指標では、角川アスキー総研の「Xトレンド解析」から、生活者の本音が垣間見える「プレーンワード」を抽出・計測しています。

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