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実現性と未来 健康経営ビル ⑥

【内容】

  1. 事業構造イメージ

  2. 街への広がり

  3. 健康経営ビルディングの未来

 

1.事業構造イメージ

健康経営支援施設(ヘルスケア・シェアオフィス)を運営するための収益イメージとして、下記のエビデンスを活用します。

  1. テナント専用面積の25%超が、会議・リフレッシュスペースで占められ、増加傾向にある、(コクヨ)

  2. 6−14人の会議スペースの平均稼働率は約30―60%で、20人を超える大会議室の稼働率は、稼働率20%程度とさらに低くなっている、平均利用人数も、5−6人程度である(経産省)

  3. 会議室は4人以下が37%となり、小規模化が進んでいる。さらに1名会議がその半分の18%を占めている。音の環境に配慮したWeb会議室などの設置が増える傾向にある。

 

これらを元に、稼働率の低い大会議室や、音環境を配慮したハイブリッド会議室などを中心に、「会議・リフレッシュスペースの半分(12.5%)」を、低層部に集約することによって、専用部でのスペース効率を高めることは合理的だと考えます。

また、千葉大学の林先生の報告では、「ウェルネスオフィス機能」の充実に伴い「5.65%」程度の賃料上昇は許容できるとされています。

逆に言えば「5%程度」の賃料優遇スペースが確保可能だと言うことです。

これらを勘案すると全体オフィス面積の「5-10%程度」、1万坪規模のオフィスビルの場合で500-1000坪程度が、健康経営関連施設として優遇賃料で確保可能になり、前項で想定した「ウエルネス・シェアオフィス」が十分成立すると考えます。

さらに健康経営関連の施設・サービスを準備することによって、「健康経営」のスコアの割増につながり、テナントオフィスビルとしても非常に魅力的ではないでしょうか。

 

2.街への広がり

さらに、外部利用を促す配置・スペックによって、事業性の向上が見込まれます。

街づくりとの関連で言えば、このビルの存在によって、地域の回遊性が高まり、歩行数が増えると、それに連動した「医療費抑制額」が算出可能になります。

国土交通省では「医療費抑制効果の見える化:原単位の試算」として、0.065―0.072円/歩/日を試算しています。

PFS方式の事業フォーマットが構築できれば、成果連動式で抑制額分を運営原資として使用することが可能になります。

例えば、周辺住民一万人の1日あたり1000歩歩数が増えると、年間2.16億円の医療費抑制効果が試算されます。

これを成果連動方式で受託することによって、抑制効果を折半するような事業イメージになります。

このような事業イメージで、「健康経営ビルディング」の実現を模索していきたいと考えます。


3.健康経営ビルディングの未来

これまでは、「健康経営」の視点からの価値提供について検討してきましたが、ヘルスケア・シェアオフィスは、「健康をテーマにした学びの場」として運営することによって、そこで働く人たちに「本業とは別の役割りを与えるプラットフォーム」を提供することにつながります。

シェアオフィスを「大学に見立てていく」ことによって、健康に関する様々な情報を「授業」としてプログラム化して提供でき、幅広い人たちの参画する動機や頻度が高まります。

飲食店運営の通説に「三回通えば常連」と言うものがあります。

初対面ではなかなか話題が見つからなくても、「授業」を通して二回・三回と顔を合わせる中で打ち解けて、顔見知りの常連として交流していくことは十分考えられます。

そして常連同士が、関心事と深めていきたいときは、大学における「サークル活動」として支援していけば様々な分野に広がっていきます。

このような複合的な活動を通して、自分の会社以外の人達と繋がっていくことは、視野を広げ自己肯定感を高め事が期待されますし、地域における広義の「貢献施設」になると考えます。

 

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