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基本方針 縁側ストラクチャー ⑥

  • 2023年8月23日
  • 読了時間: 3分

【内容】

1.れまでの知見整理

2.もったいないグランドレベル

3.屋外の居場所づくり


1.これまでの知見整理

これまでの「中間領域」に関する知見を整理してみます。

①基準階面積1,000坪超のオフィスビル、200を超える店舗数のショッピングモール、そして1000戸が住まうタワーマンションなど、ますます巨大化する都市開発において、コロナ禍を経てオープンエア・ニーズが高まり、居心地の良い屋外空間が求められ、植栽などの造園計画に留まらない屋外空間デザインが求められています。

「建築的」には、内部空間と外部空間の両方の利点をそなえ、生活を豊かにする空間と定義されます。「都市計画的」には、プライベートとパブリックとのバランス。「コミュニティ的」には、気軽に立ち寄れる街の縁側として期待されています。

歴史を振り返ると、江戸の都市では狭い屋内は安全に眠る機能に特化され、主な生活行動は「戸外」が中心でした。

ところが、戦後のモータリゼーションで、道は「お上」が管理し、車が主役になります。

成長社会に、ゆとり確保のための公開空地も作られますが、成熟社会に移り変わり「賑わいと魅力アップ」が求められても、使いこなせていない状況です。

④建築を街と見立てるジョン・ジャーディ、共感の集合体を形にするトーマス・ヘザウィック、ノイジーな空間づくりに長けた隈研吾などがベンチマークになると考えます。

⑤道路や公園、食品衛生法などで規制されているが、私たちの思い込みが行動制限をかけている場合が多いようです。そして日本の場合は、何より「周囲の理解」が大切で、粘り強く活用の実績を積み上げていくスタンスが重要


2.もったいないグランドレベル

東京都の道路率は23区において16,5%(約100㎢)に及び、公開空地の多い西新宿周辺だけでも東京ドーム10個分のオープンスペースが存在します。

グランドレベルは非常に利用価値の高い都市の資源といえます。

パリ中心部におけるシャンゼリゼ通りをはじめとした公園化構想や、日本でも大阪・御堂筋のプロムナード構想などインパクトのある構想が検討されています。

一連の動向は、単なる道路の公園化を超える、都市の魅力化方策としてに検討すべきではないでしょうか。

米国ポートランドの都市計画家ホーマー・ウイリアムスの「街にとって大切なのは地上30フィートまでの世界観である」というコメントにもあるように、都市文化を醸成し魅力を実感する舞台となる空間は、道路とその両脇の建物の地上2-3階までを一体とした「グランドレベル」にあるのです。



3.準建築的な居場所づくり

グランドレベル活用のゴール・イメージは「街丸ごとフェス化」なのですが、この実現がことのほか難しいのです。

音楽祭をしてもアーティスト・イン・レジデンスを試みても、イベントとして話題にはなっても周囲のビジネスマンの行動変容には至っていません。

巨大なビルの足元にマルシェなどを開催しても、居心地が悪く、滞留しません。

もともと敷地に塀があり、塀の内側は自由で、外側は公共スペースというように、明確に意識分けをする日本人は、欧米のカフェテラスのように、ジリジリと外に滲み出るという使いこなしは苦手なようです。

屋外で居心地を確保するには、植栽での造園計画だけではなく、「準建築的な居場所」が必要になります。

ビル風や雨などから守ると同時に、「居ても良い場所」という目印「型」が必要なのです。


そして「準建築的な居場所づくり」は、ビルなどが巨大化するほど必要になります。

屋外における拠り所を作る手法として、次回以降①壁・柱・フレーム②屋根付き広場③モビリティを説明します。


 
 
 

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