top of page

共感人口 ③ (参考)関係人口の規模感

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年5月23日
  • 読了時間: 2分

共感人口の参考例として関係人口の規模感について整理します。2021年にブランド総研が行った関係人口の意識調査によると、都道府県で最も関係人口が多いのは福島県で1229 万人となりました。これは福島県の居住人口(約 182 万人)の 6.8 倍にあたります。次いで沖縄県の 950 万人、北海道の 756 万人と続きます。この調査では関係人口は大きく 2 つの層から構成されると定義されています。ひとつは「出身者」で、現在は居住していなくても出身地の動向は気になるもので、愛着がある人も多いと想定されています。もう一つは居住者や出身者以外に「応援したい=応援者」と思う人たちです。居住地や出身地以外に「応援したい」と感じる都道府県がある人は 55.2%という結果になっています。これらをもとに出身者と同様に応援者の人口を推定したところ、福島県で1229万人となったのです。同県の関係人口の特徴は、ボランティア活動や寄付、産品購入などの意欲のある人が多いことです。 「応援したい都道府県とは、どのような関係がありますか(居住や出身地以外)」との質問に関しては、「これまで特に関りがない」または無回答とした人が全体の 32.8%を占め、特別な関係がなくても「応援したい」と感じている人が多いようです。関係人口のうち、関係している都道府県への訪問状況は「ほとんど毎月」が 7.8%、「年に数回程度」が19.8%、「年に 1 回程度」が13.7%で、計 41.3%が年に1回以上の訪問をしています。一方、国土交通省が2020年に、関係人口の実態把握を目的として実施した「地域との関わりについてのアンケート」によって、三大都市圏に居住する人の約2割(約 1080万人)が関係人口として、日常生活圏、通勤圏等以外の特定の地域を訪問していることが明らかになりました。関係人口の地域との関わり方については、地域との結びつき度が強い直接寄与型から、就労型(現地就労)、参加・交流型、就労型(テレワーク)、趣味・消費型まで多種多様となっています。地域を訪れた際に、地域との“関わりしろ”と偶発的に遭遇することができれば、地域を継続して訪問するようになり、地域との関わりを持つ関係人口となることが多いとされています。 1000万人を超える人たちが年に一度以上往来しているとなると、関係人口は非常の影響力のある人口動態であると言えます。


 
 
 

最新記事

すべて表示
シンふるさとの未来 シンふるさと論 ⑩

【内容】 1. 未来の日本社会における「ふるさと」の変容 2. 日本の未来社会の特徴 3. 「ふるさと」の概念を活用した日本の都市の国際競争力向上 4. 【シンふるさと宣言】 1.未来の日本社会における「ふるさと」の変容 ...

 
 
 
シンふるさと論の功罪 シンふるさと論 ⑨

【内容】 良い影響 悪い影響 影響をどう活かし、どう克服するか     「シン・ふるさと論」は、日本社会の都市と地方の関係性を再構築し、新たなふるさとの概念を生み出す可能性を秘めています。 本稿では、その良い影響と悪い影響を整理し、どのように活かし克服すべきかを考察します。...

 
 
 
方策3 「共創ふるさと」構想 シンふるさと論 ⑧

【内容】 新たにふるさとを共創する視点 共創するための方策 多様な人たちを巻き込む効果     1.新たにふるさとを共創する視点   これまで「ふるさと」は、その地域の出身者が受け継ぐものと考えられてきました。 しかし、人口減少が進む現代では、「受け継ぐ」だけでなく「新たに...

 
 
 

Comments


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page