top of page

共感人口 ④ 参考としての関係人口創出策

  • 2022年5月25日
  • 読了時間: 2分

共感人口の参考になる関係人口の創出方策については、明治大学の小田切徳美教授によって「人」、「場」、「仕組み」の観点から整理されています。

「人」は地域の人と関係人口を結びつける役割を果たす「関係案内人」や中間支援組織等のことで、拠点の場所に関わらず都市側及び地方側の両方の視点を持ち、地域を客観的な視点でみることが可能な人であり、偶発性を装いながら必然性をデザインする場の「編集人」とされています。関係案内人が有効に機能するためには、経済的な安定性の確保を含め、モチベーションを保つ仕組みが必要です。地域において地道に活動している人を発掘し、キーパーソン同士のネットワークを構築することが有効と提言されています。「場」は地域の人と関係人口の接点が生まれ、活動の息づかいを感じることができる「関係案内所」のことで、誰もが自由に立ち寄ることが可能で、外部を含めた不特定多数の人が集まることにより接触率が高まる場所になります。カフェ、商店、ショッピングモール、駅などが関係案内所になる可能性があります。「場」については完成されている必要はなく“関わりしろ”が残っていることが重要な要素であり、既存ストックを有効活用し、地域の人と関係人口が「連携・協働して再整備する」といったプロセスも有効と言えます。「仕組み」とは地域の人と関係人口の信頼関係を醸成していく機会のことで、SNS上に形成されるオンラインコミュニティやオンラインイベント等が、地域を訪問することのハードルを下げる有効な手段となるようです。地域の個性を引き出すための情報の編集力や、行動の変容を促すためのデザイン性と物語性を持ったコンテンツが作成できるセンスが重要になります。さらに地域との関わりを継続したい理由として、「楽しい、リフレッシュできる」という声が多いことから、地域との関わりは決して義務的なモノだけでは継続されないと推測されます。 関係人口は訪問先の地域活力の維持・向上に資するとともに、地域を訪問する側にとっても「ウェルビーイング=よく生きるため」の手段として、非常に有効なものであることを認識する必要があります。

これらの知見をもとに、次項以降で都市にける「共感人口」について考察したいと思います。



 
 
 

最新記事

すべて表示
第7章 社寺は情感を育てる文化基盤だった 情感資本によるしなやかな社会づくり ⑦

【内容】 1.社寺は、人生に寄り添う場所でした 2.社寺には、人々の情感を育てる作法がありました 3.現代にも、新しい社寺が必要です 1.社寺は、人生に寄り添う場所でした 神社やお寺というと、多くの人は「願い事をする場所」という印象を持っているかもしれません。 初詣では一年の健康を祈り、受験では合格を願い、お盆にはご先祖を供養します。 しかし、よく考えてみると少し不思議です。 お願い事がなくて

 
 
 
第6章 MINYOは暮らしを文化へ育てる 情感資本によるしなやかな社会づくり ⑥

【内容】 1.文化は、特別な日ではなく日常から生まれます 2.MINYOは、暮らしの情感を分かち合う作法です 3.小さな作法が、やがて地域文化になります 1.文化は、特別な日ではなく日常から生まれます 「文化」という言葉を聞くと、多くの人は伝統芸能や美術館、歴史的な祭りなどを思い浮かべます。 もちろん、それらも文化です。 しかし、本当に文化は特別な場所だけで育まれるものなのでしょうか。

 
 
 
第5章 現代のMINYOという発明 情感資本によるしなやかな社会づくり⑤

【内容】 1.私たちは、新しい作法を必要としています 2.MINYOとは、現代の作法です 3.MINYOは文化を未来へ編集する試みです 1.私たちは、新しい作法を必要としています これまで見てきたように、日本文化は長い時間をかけて、人々の情感を分かち合う作法を育ててきました。 民謡は歌を通して、人々の喜びや苦労を共有しました。 祭りは、一年の実りや願いを地域全体で祝い、共に生きる喜びを育て

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page