【内容】
大型ライフスタイルショップの限界
ライフスタイルカフェ& ARショップ
ライフスタイル・ウォール& ARショップ
1.大型ライフスタイルショップの限界
商業施設が「顧客接点プラットフォーム」になると想定した場合に、売り場にはどのようにAR技術が活用できるのでしょうか。
ファッション店舗は、来店機会を増やしたり、差別化のために世界観を提示する手段として、アパレルだけでなく、雑貨やインテリアなどを横断的に扱う「ライフスタイルショップ化」を志向してきました。
そうなると売り場面積が増え、賃料負担が重く、売り場効率も悪くなってしまいます。
代表的なライフスタイルショップである、「ロン・ハーマン@東京・千駄ヶ谷」は、1000㎡の店舗に、男女ファッションや雑貨はもちろん、インテリアやカフェまで併設されています。
日本橋の「誠品生活」や各地の「蔦屋書店」も、本を媒介にしてライフスタイルを訴求した上で、そのコンテンツと関連した商品を販売しています。
全てをリアルの並べようとすると、大規模な店舗にならざるを得ません。
資本力のある大企業による旗艦店か、ディベロッパー側が集客のために、特別待遇で誘致するケース程度しかなく、一般解にはなりません。
大型のライフスタイルショップの限界が、リアルな店舗を起点にしたARコンテンツの拡張の可能性を感じさせます。
2.ライフスタイルカフェ&ARショップ
A R技術を活用することで、これらの課題を解決できないでしょうか。
例えば、ロン・ハーマンと同じように、アメリカ西海岸風の内装を施した「カフェ」をフックにしてはどうでしょうか。
カフェに並んでいるファッション、雑貨・クラフト、食材などの在庫をAR展開して提示するのです。
これでしたら100㎡程度でも、十分展開可能です。
同様に、南欧スタイルや北欧スタイル、アジアンテイストなど様々な展開が想定可能です。
最終的には、Eコマースの購買動線への誘導が目的ですから、一定エリアのリアル商品は、月替わりで入れ替えても良いと思います。
1年間で12通りの購買動線が設定可能になります。
無印良品が「MUJI HOTEL」を運営して、「体験」から「購買」に繋げようとしていますが、要するに「リアルな世界観に共感」してもらえるフックになれば良いわけです。
その上で「①ARコンテンツにアクセスし、②AR コンテンツ上の商品に興味を持ち、③Eコマースで購入してもらう。」という体験・操作を行える快適環境をカフェが提供できないでしょうか。
3.ライフスタイル・ウォール&ARショップ
さらに「店舗」という区画・空間だけではなく、「壁面」を活用できないでしょうか。
商業施設のパブリックスペースの様々な壁面を、「垂直の店舗」と見立てることができると、出店ハードルが低下すると同時に、パブリックスペースへの投資意義が高まり、上質な空間の提供が可能になります。
この場合、分かりやすいフックが必要で、「マンガ・イラスト」が有効ではないかと考えます。
魅力ある世界観を作る、想像力と描写力に長けている漫画家が適任で、例えば西海岸風であれば、「わたせせいぞう」さんによるイラストなどが、好例だと思います。
マンガ・イラストに仕込まれたマーカーを介して、 ARコンテンツやEコマースに誘導していけるのではないでしょうか。
このような手法で「売り場 AR」を模索していきたいと考えます。
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