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ワークショップの可能性と進め方 ベクトル・メイク ④

【内容】

  1. 納得解を導くワークショップ

  2. 「やるか?」「やらないか?」

  3. より腹落ちするために

 

 

1.納得解を導くワークショップ

私たちは、開発コンセプトの抽出にあたって、ワークショップの実施が有効だと考えます。

ワークショップとは、開発プロジェクトのスタッフを中心に、多様なステイクホルダーを集めて、ファシリテイターがプログラムに沿ってグループディスカッション進行することを指します。

ワークショップの場で、開発コンセプトそのものは抽出できませんが、その前提となる「目指すべきゴール」「現状と事業条件」などの共有を通じて「課題」が明確になります。

さらに「地域のリソースや自分達の DNA」を再認識するプロセスが非常に重要だと考えています。

成長経済の時代のように、マーケットの空白部分を攻めれば成功する(=正解がある)のではなく、成熟経済時代の都市開発には、地域や自分達の強みを見極めて、周りを巻き込みながら地道に成果を積み重ねていく姿勢が必要になります。

そのためには、「自分達が腹落ちできる(=自信を持てる)納得解」が、不可欠になってくるということです。

 

2.「やるか?」「やらないか?」

現代は情報洪水の時代と言われます。

2020年の情報総量は、2000年の約7000倍になるという報告もあります。毎朝1時間で読めた新聞の内容が、一年間かけて読む量に膨らんだイメージです。

都市開発に関する情報も、国内外の成功事例を簡単に調べる事が可能ですし、類似事例を通じた解決手法も「頭の中」では分かっていると言えます。

シリコンバレーのエコシステムも、ポートランドのライフスタイルも、「頭の中」で分かっているだけでは、実現できないのです。

だからこそ自分達が本気で取り組み、周囲を巻き込んでやり抜くための「腹落ち感」が重要になってくると言うわけです。

これまで数多くのワークショップをファシリテーションしてきましたが、その経験から言えることは、フォーマルで遠慮ばかりの会議ではなく、心理的安全性が確保された状況で、一定時間のグループワークを実施していると、一種の熱気が満ちてきます。

そして、そのワークショップで議論した成果については、一定の腹落ち感が得られるようになります。

要は「やるか?」「やらないか?」の問題で、その背中を押す役割がワークショップにあるのだと言えます。

 

3.より腹落ちするために

ワークショップで納得解を抽出するにはプロジェクトチームだけでなく、幅広いプレイヤーを交えた方が効果的です。

自分達の狭い視野だけでなく、様々な視点でアイディアを抽出した方が、納得感が高くなるからです。

私たちのワークショップでは、開発プロジェクトのチームメンバーに男性が多い場合は、敢えて女性メンバーも加えてもらいます。

普段は大人しい女性スタッフが、上司もハッとするような見識を披露する場面に何度も遭遇してきました。

私たちの場合は、3-4人の外部ブレーンを交えて、ワールドカフェ形式で意見を混ぜながら、認識共有を進めています。

時代動向を踏まえて次世代のライフスタイルやニーズを共有し、プロジェクトの可能性や方向性を抽出します。

その上で地域の潜在性や自分たちの DNA を見極めます。

このようなプロセスを経て、抽出される開発コンセプトを起点にして、共感の輪を広げていく事が、プロジェクトのベクトルを強めていくのだと実感してます。

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