top of page
検索

マーケットプレイスから「コンテンツプレイス」へ ⑩ オンライン1stの顧客接点プラットフォームづくり

オンライン1stの顧客接点として非常に可能性を持つのが「鉄道駅(駅ビル)」です。世界一のターミナルと言われる新宿駅の1日の乗降客数は300万人を超え、これを顧客接点と捉えると、年間1000万人を集める商業施設と比較しても圧倒的な接点数になります。 コロナ禍前の調査ですがJR東日本全体で1日あたり1663万人(日本マーケティング研究所2015年)となり、セブンイレブン全店客数1509万人を上回っていました。

Web広告では①インプレッション課金(表示回数当たり1円程度)、②クリック課金(クリック当たり10円〜数千円程度)、③コンバージョン課金(資料請求・購入成果当たり数百円〜数万円)という課金の段階構成が定着しています。これを生かして①インプレッション=「商品前通過人数」、②クリック=「体験者数」、③コンバージョン=「ID獲得数」などにリアルな顧客接点としての価値を評価・換算する指標を創出し共有できないでしょうか。乗降客をいかに顧客接点化できるかが課題ですが、一日10万人の乗降客駅に100ブース用意できれば、先程の換算で年間数十億円の収益になると想定されます。技術革新によってどの商品を認知し、体験し、どの経路で IDが獲得され、購入に至ったのかが、追跡できるようになっています。いかに誘導し興味を持って貰えるのか?駅におけるハード&ソフトの再構築が大きな鍵を握っています。

駅に限らずこれからはコンテンツプレイスとして、EC側の特性とニーズとを見極め、きめ細かく対応していく必要があります。リアルな顧客接点のゴールが、オンラインショップにおける話題・エポックづくりやオフ会としての機能を求めているのか?自社商品の世界観やライフスタイルの強化を目的にしているのか?商品開発ステップで顧客の反応やフィードバックが有効なのか?各々の目的に合わせた演出、編集陳列、イベント開催、対応人材の配置やセンサー設備が必要です。単なる店舗区画ではなく、ある意味でスタジオであり、ミュージアムであり、ラボとしての位置付けとそれに対応したハード&ソフトが求められます。その上で「何か面白いことを一緒にできる」共創プロジェクトとしてのビジョンを示せれば最高ですが、何よりも単なるテナントビルではない、運営スタンスが重要です。商業施設は単なる床貸し業から、多様な顧客接点のプラットフォームとして運営される「コンテンツプレイス」としてアップデートが求められる時代です。

最新記事

すべて表示

【内容】 個人にとっての効用 街と社会にとっての効用 サードプレイスがある効用とは何でしょうか? ここでは、「個人」と「街と社会」にとっての効用を整理します。 1.個人にとっての効用 1.新しいコミュニティへの所属 サードプレイスでは、新しいコミュニティを構築でき、ファーストプレイスやセカンドプレイスにはない関係性が生まれます。新たな所属が、日常における待避場所となり、生活の満足度が高まります。

【内容】 A:交流型サードプレイス B:マイプレイス型サードプレイス C:価値共有型サードプレイス サードプレイスの分類では、本来オルデンバーグが示した「A:交流型」と、日本での主流となっている、一人または数人で静かに自分の時間を過ごすために、活用される居場所タイプ 「B:マイ・スペース型」の2種類への分類が一般的です。 ここでは、より現代の日本社会に対応させるため、特定の目的や意味を共有する「C

【内容】 日本にも有ったサードプレイス的空間 日本的なサードプレイスの特徴 1.日本にも有ったサードプレイス的空間 日本にも「家でも会社でもない居場所」という意味での、サードプレイス的な空間はありました。いくつかを例示します。 居酒屋:日本文化研究者のマイク・モラスキーが、日本におけるサードプレイスの代表例として「赤提灯や大衆酒場のような庶民的な居酒屋」を挙げているように、カウンターが一種の共有空

bottom of page