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ベンチマークとしての水族館・動物園:文化施設 PPP ④

【内容】

  1. 西洋近代式運営からのアップデート

  2. 独自に工夫する水族館・動物園

  3. 複合施設化による相乗効果




1.西洋近代式運営からのアップデート

これまで社会教育施設としての位置付けの中で、黙々と運営されてきたミュージアムですが、大きく変革が迫られています。

これまでの整理で、下記3点の状況が明らかになりました。

  1. ミュージアムに、観光・産業機能が求められている事。

  2. 「近代・西洋・名画偏重」のブロックバスター展に頼らない運営方策が必要な事。

  3. 「近代西洋の博物学視点だけではないミュージアム体験」が求められている事

一言で言うと、これまでのミュージアムは、「西洋近代のリソース&ノウハウに頼って運営」されてきたのです。

次世代に向けて、独自に魅力化していくためには、「西洋近代式からアップデート」したミュージアム運営が、不可欠になると考えます。


2.独自に工夫する水族館・動物園

ミュージアム運営のベンチマークとして、博物館の一種である「水族館」が参考になると考えます。

日本は「水族館大国」と言われ、全国の150箇所もの水族館があります。

コロナ禍以前の入場者数を見ると、[1位]沖縄美ら海水族館(332万人)、[2位]大阪海遊館(263万人)、[3位]名古屋港水族館(200万人)、[4位]アクアパーク品川(152万人)、[5位]サンシャイン水族館(147万人)と、多くの人を集めています。

もちろん全ての水族館が、大型水槽を備えてジンベイザメを泳がせて集客している訳ではありません。

イルカショーに力を入れたり、空が見える透明な水槽で、ペンギンが飛んでいるよう見せたり、クラゲに特化して、その浮遊感で癒しを演出したり、と水族館ごとに様々な工夫を凝らしています。

同様に動物園でも、パンダに頼らず、それぞれの動物の生態・特徴をクローズアップした「行動展示」で、人気を博している旭山動物園の事例があります。

これらの水族館や動物園の展示の視点や演出方法が、次世代のミュージアムの参考になるのではないでしょうか。


3.複合施設化による相乗効果

さらにアクアパーク品川やサンシャイン水族館、すみだ水族館@スカイツリータウンのように、複合都市開発の集客施設として、位置付けられ整備・運営されている点も参考になります。

シネマコンプレクスのように、年間数十万人を集めることで、水族館の利用ニーズと、商業施設との相乗効果が、想定されているのです。

従来の、「公園内に孤立して佇むミュージアム」イメージからの、アップデートも有効だと考えます。

ミュージアムにおいても同様のケースが、六本木ヒルズの「森美術館」や、東京ミッドタウンの「サントリー美術館」に見られます。

サントリー美術館は、展示面積1000㎡(延床面積4700㎡)、学芸員11人での運営ながら、年間6つの企画展を開催し、30万人を集めています。


従来のミュージアムの枠に囚われず、運営の視野を広げ、柔軟な位置付けと役割を模索していくことが、変革に繋がるのだと考えます。


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