top of page
検索

ニッポン・シアター① 日本型エンタメの現状と課題

島国の農耕民族・日本人は大陸の遊牧民族のような流動性や交流性の高い歴史を経る事なく、非常にハイコンテクストな文化を作り上げてきました。コンテクスト(文脈)とは、言語外の情報を指します。声のトーンや間の取り方、表情、身振り、沈黙などを通じた暗黙知であり、その蓄積の上に雅楽・能楽・文楽・歌舞伎・組踊などユネスコ世界文化遺産に登録された独特な伝統芸能を生み出してきました。今節は日本におけるエンタメ施設のうち、活況を呈するアリーナ部門ではなく、ニッポン・シアターという切り口で伝統芸能系施設のあり方について考察します。

日本の繊細な伝統芸能は現代の派手なパフォーマンスに慣れた観客からは、難解で物足りないエンタメに映ってしまい勝ちで、公演回数や集客数、実演者数も減衰傾向にあります。

客層の高齢化はもちろん、エンタメ産業を支える若年人口の減少が著しい国内市場だけでは存続が難しい訳ですが、海外マーケットを視野に入れる際には、そのハイコンテクスト性が課題になります。以前統合リゾート開発に伴う伝統文化の振興を検討する際も、最も華やかでわかりやすい歌舞伎でさえ、インバウンドへの訴求力の弱さが課題になっていました。

海外マーケットを見据えた伝統芸能系施設を検討する際に、「和食」が参考になるのではないでしょうか。濃厚でヴォリューム感のある料理が好まれる欧米を含むグローバル(全世界約10万店:2015年)で、和食が受け入れられた背景には、世界的な「ヘルシー志向」と言う価値観の普及がサポートしてくれました。ニッポン・シアターの振興に向けては、「新しい観劇価値の創造」が必要なのではないかと考えます。


最新記事

すべて表示

今なぜ シェアオフィスを考えるのか?  シン・シェアオフィス ①

【内容】 自宅でも企業オフィスでもない仕事場の必要性 サードワークプレイス市場 シェアオフィスの可能性 1.自宅でも企業オフィスでもない仕事場の必要性 コロナ禍で普及したテレワークですが、空間面・設備面の課題から、自宅のワーキング環境では十分な生産性の確保が難しいと、実感した人も多いと思います。 とは言え、週に2〜3日の出社とテレワークとを併用する、「ハイブリッド勤務」の快適性を実感してしまったワ

駅と鉄道会社の未来 シン駅3.0 ⑩

【内容】 1. 顧客接点のさらなる活用 2. ライフスタイルの共創 3. 「共創」から「競創」へ 1.顧客接点のさらなる活用 セブンイレブンジャパンの2022年年間売り上げは約5.1兆円で、その60%をオリジナル商品が占めると言われます。 同社では、1日1300万人の顧客(POS)データを元に、単品・個店・客層別の情報を、サプライヤーとも即時共有し、商品開発や製造計画、在庫管理や受発注に活用されて

駅の進化の効用 シン駅3.0 ⑨

【内容】 1.小田急電鉄の挑戦 2.「三方よし」の必要性 3.「お客さま」から「参画者」へ 1.小田急電鉄の挑戦 小田急電鉄は、コロナ禍を経て、「社内ベンチャーの育成」に力を入れています。 「クライマー制度」という独自の社内ベンチャー制度で、社内からアイディアを募り、さまざまなプロジェクトを事業化しています。 特徴的なのは、「地域の課題解決」というスタンスで、デジタルを活用して、鉄道とは直接関係の

コメント


bottom of page