top of page
検索

ニッポン・シアター④ 世界の理解基準との並存

歌舞伎の海外公演では、派手で受けの良い「毛振り」をローカル音楽で演じるなどプログラムを取り入れるなど、演目にも工夫するそうです。一方でベルリンオペラ座での能楽公演のように、余計な解説など不要なほど洗練された観衆が、本質をパッと理解してくれる経験もあると言います。相手に合わせなくても、本物は国やジャンルを超えて通じ合うということもあるようです。

Netflixにおけるイカゲームのヒットに見られるように、「普遍的なわかりやすさと深読みしたい人にとっての奥行き都を併せ持つ」事が必要です。デスゲームのルール表現のわかりやすさなど間口の広さが求められると同時に、韓国の格差社会や競争社会という背景や、キリスト教的なメタファーを感じるというハイブリッド構造が必要です。

これからのニッポン・シアターには初心者大人数対応の大ホールと、少人数の上級者を対象にした小ホールの二段階が必要になります。大ホールでは、演技の外国語解説はもとより、場合によっては超歌舞伎的な演出やプロジェクションマッピングが有効かもしれません。とにかくライトユーザーを増やすという目的に沿った展開が必要です。飲食店運営で「3回通えば常連になる」という通説があります。一回目は「すごい」というインパクトを与え、2回目で周辺情報含めて理解が進み、3回目になるとコミュニティにも慣れて、少し自慢できるウンチクも語れるようになる。このような観劇体験が提供できると良いのではないでしょうか。その経験を経て洗練された観客が、少人数・上級者向けの演目を体験するのだと割り切ってはどうでしょうか。

最新記事

すべて表示

地力づくり② 美術館・博物館 シンコンセッション ⑨

【内容】 コンテンツを活用したファンの拡張 「〇〇学センター」による深度化の仕組み 1.コンテンツを活用したファンの拡張 大型企画展で集客を図ることも重要ですが、ミュージアムの地力づくりのためには、「常設コンテンツを活かす必要があります。 鳥取県立博物館であれば「オオサンショウウオ」、(ホールですが)奈良県立文化会館であれば「反田恭平氏」などの、特化コンテンツに焦点を当て、関連した空間演出やイベン

地力づくり① ホール・劇場 シン・コンセッション⑧

【内容】 公共ホールの課題 シン・コンセッションの試算 1.公共ホールの課題 公共ホールの三重苦については、前述したとおりです。 ホール料金の上限 住民利用枠の設定 自主企画の開催 これらの制約が緩和されれば、公共ホールの運営は軌道に乗るのでしょうか。 公共ホール運営の最大の課題は、「運営モチベーション」だと考えます。 ただ単に「管理するだけ」であれば、「貸し館」の申し込みが来るのを待っていれば良

ケーススタディ2:博物館 シンコンセッション⑦

【内容】 Ⅰ 鳥取県立博物館 Ⅱ 滋賀県 東近江「森の文化博物館(構想)」 【Ⅰ.鳥取県立博物館】 概要と課題 鳥取県立博物館は、鳥取市街の中心地の鳥取城跡公園内に位置し、周囲には鳥取城跡や洋館の仁風閣などの観光スポットがあります。 総合博物館でしたが、2025年に美術部門を、県立美術館として分離させるため、鳥取県に関する歴史と自然をテーマにした展示をおこなっています。 特別天然記念物の「オオサン

bottom of page