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シン道の駅の基本方針 シン道の駅 ⑥

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 1月29日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. これまでの論点整理

  2. 観光集客を超えた地域振興策

  3. 関係人口を創出する3方策

 

 

1.これまでの論点整理

シン道の駅の基本方針を設定するために、これまでの論点を整理します。

  1. 誕生以来約30年を経て、全国に1200を超える道の駅があります。単なる道路利用者の休憩機能だけではなく、産直売り場をはじめ様々な機能は付け加えられ、「観光の目的地」になる駅がある一方で、3割は赤字だとも言われます。ところが道の駅の評価は、基本的には人気ランキング程度しかなく、その明確な方向性と評価指標がないのが現状です。

  2. 道の駅とは、「休憩機能」「情報発信機能」「地域連携機能」からなる公設民営施設です。その「緩い登録基準」から各市町村が地域活性化目的で、どんどん整備登録を進めています。「道の駅」を冠して再生されるレジャー施設もあり、一種のブランド化しつつあります。

  3. 道の駅は「鉄道に駅があるように、豪路に駅があってもいいのではないか」という着想をもとに整備が始まり、農産物の直売所で人気を博し、遊覧施設や温浴・宿泊施設まで、地域によって様々な機能が付加されてきました。2020年からは第三ステージとして、国際化、防災対応、地域センター化などが志向され、新しい社会インフラの様相を呈してきています。

  4. 道の駅は農作物の直売所をはじめ流通に乗らない希少な農作物を販売する「小さな流通革命の拠点」として機能し始めていますさらに「広域との直流&オープン環境を備えた拠点」として地域活性化の推進が期待されています。

  5. 道の駅の市場環境は、道の駅の乱立による競合激化と、農作物の供給者及び利用者の高齢化という要因のもと、厳しさを増し3割が赤字と言われます。また構造的に「公共サービス」と「経済活動」との混在が、運営スタンスを不明確にし、赤字体質の元凶とも言えます。かつての「三セク施設の破綻」を彷彿とさせる状況です。

 

2.観光集客を超えて

このように「公共サービス」と「経済活動」との棲み分けが不明確な上、高齢化に伴う需要の減退を勘案すると、農作物の直売所を中心とした「観光集客」だけでは、先細りしてしまうと考えられます。

一方で道の駅は、流通市場や鉄道網など既存の社会的ヒエラルキーを超えて、各地域が広域の人たちと直接つながることができる「広域との直流&オープン環境」という特性で、地域活性化の潜在力を備えています。

次世代の道の駅を考える上では、その特性を踏まえて「観光集客を超える新しい目役割」が必要です。

第三ステージの基本方針において、「防災拠点」として新しい役割が設定されましたが、より日常性と発展性とを踏まえた役割が必要ではないでしょうか?

人口減少社会の中、定住人口だけで地域を支えることが難しくなる状況で、道の駅を中心に、観光を起点にしながら「交流人口を関係人口に転換する拠点」としての役割を担えないでしょうか?

シン道の駅では、「観光集客」を超えて「関係人口の創出拠点」づくりを提案していきたいと思います。

 

3.関係人口を創出する3方策

道の駅が備える「広域との直流&オープン環境」という特性を活かして、「関係人口の創出拠点」として進化させていくためには、都市側の根本ニーズに対応した下記の3つの方策があると考えます。

方策1:都市のシニアの不安に対応した関係人口の創出拠点

方策2:都市の企業ニーズに対応した関係人口の創出拠点

方策3:都市の子育ての不安に対応した関係人口の創出拠点

以降で各方策を説明します。

 
 
 

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