top of page

サードプレイスの効用:日本型サードプレイスの提案 ⑤

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2023年3月31日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 個人にとっての効用

  2. 街と社会にとっての効用


サードプレイスがある効用とは何でしょうか?

ここでは、「個人」と「街と社会」にとっての効用を整理します。


1.個人にとっての効用


1.新しいコミュニティへの所属

サードプレイスでは、新しいコミュニティを構築でき、ファーストプレイスやセカンドプレイスにはない関係性が生まれます。新たな所属が、日常における待避場所となり、生活の満足度が高まります。


2.新しい価値観との出会い

サードプレイスには、様々な属性をもった人たちが集まります。従って家庭や職場では、出会うことのない人と交流することが可能です。異なる価値観を持った人と交流することで、いままで考えたことのなかったアイディアに触れることができ、新たな価値観を獲得する機会になります。


 3.自分を高める機会

サードプレイスでは、職場や学校のように、誰かから「学習、訓練しなさい」と強要されないため、全ての行動は自分自身の判断に基づきます。

「人からやらされる事」には、熱意をもって取り組むのは、難しいですが、自らの意思で行動するサードプレイスでは、自分を高めるというモチベーションが育まれます。


4.生き甲斐と健康増進

自分の居場所としてのサードプレイスへの活動参加は、生き甲斐につながります。

そしてサードプレイスへの日常的な立ち寄りは、(高齢者を含む)外出促進を通じた健康増進にも寄与します。


5.街への愛着と誇り

新しいコミュニティ、交流拠点が、街なかに生まれる事によって、その街に対する愛着が高まります。我が街としての愛着と誇りは、自らの自尊マインドに繋がり、幸福度・クオリティ・オブ・ライフが向上します。


2.街と社会にとっての効用


1.安全安心で住みやすい街

街なかに、サードプレイスが点在し、そこに通う人たちの外出、街歩きが促されると、お互いに顔がわかり、見守り合えます。一連のプロセスを通じて、安全安心で住みやすい街づくりにつながります。


2.関係人口の増大

サードプレイスに関連して、①コト(歴史・文化・地域資源など)への関心から、地域に関与するケースと、②ヒト(知り合い、出会い)から地域に関心を持つケース、の2つ経路で地域との接点が想定され、地域の関係人口の増大機会につながります。


3.地域密着人口の活用

公共政策学が専門の広井良典氏は、子どもと共に高齢者を「地域密着人口」と定義しています。現役世代とは異なり、時間的な自由を持ち、地域との関わりが多い、地域密着人口の活用が、地域活性化につながるのではないでしょうか。

サードプレイスを通じて、高齢者「を」地域で支えるのではなく、高齢者「が」地域を支える社会へ、と言う展開も可能だと考えます。


4.社会的コストの軽減

サードプレイスに関連した様々な活動が、防犯、福祉、健康、子育てなどの多彩な分野への、市民の参画機会になり、共助マインドの向上に伴い、社会的コストの軽減につながります。


これまで住む、働くという機能・サービスを享受する立場だった人たちが、サードプレイスに関連した活動を通じて、街に関与・参画する立場ことで、WIN- WINの新たな社会価値が生まれそうです。


 
 
 

最新記事

すべて表示
基本方針 共体験デザイン ⑤

【内容】 第1章 「共体験デザイン」の視点 第2章 「共体験デザイン」の基本方針 第3章 「共体験デザイン」の具体化方策     第1章 「共体験デザイン」の視点 都市開発において「共体験」を軸にした計画を進めるためには、空間・社会・時間・経済という四つの視点から捉えることが重要です。 ⑴空間の視点 都市の価値は「建物」そのものではなく、「建物と建物の間に生まれる生活」に宿ります。ベンチや段差、可

 
 
 
共体験の課題 共体験デザイン ④

【内容】 第1章 都市開発における「共体験」研究の現在地 第2章 都市開発における共体験研究の課題 第3章 展望に向けた問いと今後の方向性   第1章 都市開発における「共体験」研究の現在地 「共体験(Co-experience)」はもともとHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)の分野で定義された概念ですが、現在では都市デザイン、社会学、文化研究、心理学など幅広い領域で活用されていま

 
 
 
共体験研究の変遷 共体験デザイン ③

【内容】 第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 第2章 共体験の社会的接合と都市研究への展開 第3章 共体験の測定・検証と都市開発への統合   第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 都市開発における「共体験」の研究は、1960年代から80年代にかけて、公共空間における人々の行動観察から始まりました。 ウィリアム・ホワイトの『The Social Life of Small Urban Spaces

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page