top of page

コンセプト再考⑤ コンセプトにおける共創ワーク

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年9月21日
  • 読了時間: 2分

私たちは、コンセプトの抽出にあたって、共創ワークが不可欠だと考えます。共創ワークとは、プログラムに沿った関係者とのグループディスカッションを指します。

共創ワークでコンセプトそのものは抽出できませんが、その前提となる「目指すべきゴール」「現状と事業条件」などの共有を通じて「課題」が明確になります。それに加えて「地域の潜在性・自分達の DNA」の再認識プロセスが非常に重要です。

これまでのように、マーケットの空白部分を攻めれば成功するのではなく、自分達の強みを見極めて、周りを巻き込んでいく地道な努力が必要になるのです。分かりやすい正解のない時代だからこそ、「自分達が自信を持てる納得解」こそが重要になります。

これだけ情報が溢れた時代です。都市開発における国内外の成功事例を知っているし、類似事例を通じた解決手法も「頭の中」では分かっているのです。だからこそ自分達が本気で取り組み、周囲を巻き込める「腹落ち感」が重要なのです。

共創ワークはプロジェクトチームだけでなく、幅広いプレイヤーを交えた方が効果的です。自分達の狭い視野だけでなく、様々な視点でアイディアを抽出した方が、納得感が高まるからです。男性中心のプロジェクトチームが多い中では、敢えて女性メンバーも加えてもらいます。普段は大人しい女性たちが、上司もハッとするような見識を披露する場面に何度も遭遇してきました。私たちの場合は、3-4人の外部ブレーンを交えて、ワールドカフェ形式で意見を混ぜながら、認識共有を進めています。

時代動向を踏まえて次世代のライフスタイルやニーズを共有し、プロジェクトの可能性や方向性を抽出します。その上で地域の潜在性や自分たちの DNA を見極めます。そうして抽出されるコンセプトから共感の輪を広げていくプロセスが、プロジェクトの推進力を高めていきます。

共創ワークで、状況認識を共有し, DNA・リソースを抽出し、起承転結の戦略ストーリーに練り上げるのです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
日本的OSはどのように形成されたのか 日本的OS ④

【内容】 自然との共生から始まった「関係性の思想」 武家の倫理と共同体の協調 二重構造と現代的再評価     1.自然との共生から始まった「関係性の思想」 日本的OS──すなわち「空気を読み、相手を察し、秩序を保つ非言語的な社会システム」は、けっして近代に偶然生まれたもので...

 
 
 
揺れる世界、穏やかな日本“見えない秩序” 日本的OS ③

【内容】 怒りと正義が衝突する世界 なぜ日本は「安定」して見えるのか 日本的OSは“思想資本”になり得るか     1.怒りと正義が衝突する世界 現代の世界は、まさに「揺れている」と表現すべき時代に突入しています。 ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナの紛争、米中による経...

 
 
 
日本的OSとは何か 日本的 OS ②

【内容】 「見えないのに、確かにある」――OSとしての日本文化  「心地よさ・信頼・関係性」――三本柱から成るOS構造 世界が見直し始めた「日本的OS」の価値     1.「見えないのに、確かにある」――OSとしての日本文化...

 
 
 

Comments


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page