top of page

グランドレベル革命 ⑧ OS方策2:街なか「お祭り」化の設え

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年7月20日
  • 読了時間: 3分

街ぎわプレイスおける表現・交流を促す OS方策というと、「歩行者天国にしてイベントを開催しよう」と言う議論に行きつきます。イベントと祭りの違いは参加者が鑑賞者の立場に終始するのか?時にはキャストとして演出に一役買う立場になるのか?にあると言われます。単なるイベントでは一時的に賑わいますが、その場限りで終わってしまう可能性が多いのです。

これを変革するヒントが「ハロウィーン」にあると考えます。近年ハロウィーンは急速に盛り上がってきました。市場規模は約1200億円(2019年日本記念日協会)とバレンタインを抜き、7000億円市場のクリスマスに次ぐ規模に成長しています。ハロウィーンの魅力は何と言っても「仮装」で、一種の変身と言えます。 東京渋谷や大阪道頓堀は仮装した若者たちで溢れ街丸ごと仮装パーティ状態です。普段の自分ではない非日常感を楽しみ、SNS 受けも含めて仲間と一緒に騒げるところが、好評な要因のようです。

日本人は普段は恥ずかしがり屋で控え目で礼儀正しいという印象がありますが、新橋で酔っ払ったサラリーマンの変貌ぶりがよくニュースになるように、抑圧され鬱積したストレスが、酒の力を借りて一遍に噴出させることがあります。ハロウィーンもこれに似た効用があると感じます。

もう少し穏やかな事例としては渋谷で始まった「グリーンバード」というゴミ拾い活動があります。お揃いの緑のビブスをきた若者たちが定期的にゴミを拾う活動で、国内外で75都市に広がっています。発案者の長谷部 健(現渋谷区長)さんは「朝の合コンという緩い感覚」で呼びかけたと言います。各チームは拾うゴミの量ではなく、会話しながらプロセスを楽しみ参加者同士でつながり、どのようなエピソードに出会ったかを大切にしています。良い事を緩く面白そうなコンセプトで包むからこそ普及して行ったのだと思います。

巨大な人工物に固められ自己裁量感が乏しい現代都市では、非日常空間を設定することによるガス抜きは極めて重要で、もっと積極的に仕組み化していく必要があると考えます。人は舞台と役割と(そしてちょっとした小道具)を提供することで、プチ変身でエリア限定、時間限定での「お祭り」に参加して非日常感を味わうことは、「個」を覚醒させ普段とは異なるフラットな関係と創造力を生み出すことにつながると考えます。

ディスニーランドの中ではミニーマウスのキャップを付けた方がハシャげますし、静岡で行われる大道芸のワールドカップでは、来街者もスポンジでできた赤い鼻をつけて「祭りに参加」しています。体験価値を高めるOS方策として「プチ変身」を伴う「祭り&キャスト化」は有効だと考えます。


 
 
 

最新記事

すべて表示
基本方針 共体験デザイン ⑤

【内容】 第1章 「共体験デザイン」の視点 第2章 「共体験デザイン」の基本方針 第3章 「共体験デザイン」の具体化方策     第1章 「共体験デザイン」の視点 都市開発において「共体験」を軸にした計画を進めるためには、空間・社会・時間・経済という四つの視点から捉えることが重要です。 ⑴空間の視点 都市の価値は「建物」そのものではなく、「建物と建物の間に生まれる生活」に宿ります。ベンチや段差、可

 
 
 
共体験の課題 共体験デザイン ④

【内容】 第1章 都市開発における「共体験」研究の現在地 第2章 都市開発における共体験研究の課題 第3章 展望に向けた問いと今後の方向性   第1章 都市開発における「共体験」研究の現在地 「共体験(Co-experience)」はもともとHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)の分野で定義された概念ですが、現在では都市デザイン、社会学、文化研究、心理学など幅広い領域で活用されていま

 
 
 
共体験研究の変遷 共体験デザイン ③

【内容】 第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 第2章 共体験の社会的接合と都市研究への展開 第3章 共体験の測定・検証と都市開発への統合   第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 都市開発における「共体験」の研究は、1960年代から80年代にかけて、公共空間における人々の行動観察から始まりました。 ウィリアム・ホワイトの『The Social Life of Small Urban Spaces

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page