top of page

アウトプット戦略 共創から競創へ ⑦

2024年5月1日
読了時間: 5分

【内容】

  1. 継続発信の仕組みづくり

  2. 方策A:街コンテンツの「リーグ戦」見立て

  3. 方策B:街コンテンツの「大学」見立て

 

1.継続発信の仕組みづくり

「磨き上げた」街の個性、強みを発信する際にも「原則」があります。

それは「オンライン上のコンテンツ発信」で評価されることを前提にすべきだと言うことです。

野球が「試合」と言う一定ルールの中で、様々なプレイを評価するように、都市は「オンライン上でのコンテンツ発信」と言う活動原則の中で、それぞれの個性と強みを工夫していく必要があるのです。

ただ単に「おらが街の○○が一番」と自画自賛を発信しても、ほとんど意味も効果もありません。

1889 年のパリ万博の際にナポレオン3世は世界から集まる客に対してボルドーのワインの魅力をわかりやすく伝えるために5段階に格付けしてアピールしました。

今日まで伝わるボルドーワインの格付けですが、カテゴリー分けして相対評価していくことによって価値を見える化させていく視点が重要です。

もちろん街の魅力はもっと複合的・総合的に違いないのですが、オンライン1st視点でのコンテンツとして絞り込んでいく必要があります。

相対評価され認知される枠組みづくりとして、「方策A:リーグ見立て」と「方策B:大学見立て」とを検討していきます。

 

2.方策A:街コンテンツの「リーグ戦」見立て

街のコンテンツを様々な人が楽しめるサッカーのリーグ戦のように編集した上で発信してはどうでしょうか?

ロナウドやメッシのようなスーパースターは別格ですが、プロサッカーでも一般的に、「個人」ではなく「チーム」で認識されて、まずファンが付きます。

さらには「リーグ」としてのグルーピングにより、メディアが配信する対象として取り上げられ、存在感と価値が可視化しています。

プロサッカーはリーグ戦形式で試合を繰り返し、継続的なコンテンツとして認知・定着させています。

さらに試合内の様々なコンテンツを名勝負集やゴール場面集などに再編集したり、ベンチ裏の様子、選手インタビューなど様々な追加・スピンアウトしたコンテンツで、資産としての魅力を膨らませていくのです。

各都市の特性に合わせた「遊・文化」テーマ(食、音楽・ダンス、アート、マンガ・アニメ、ゲームなど)で、まず複数の担い手有志のチームを作ります。そのチーム同士がリーグ戦形式で定期的に対戦を続けていくのです。

プロ野球やサッカーなどの例に明らかなように、トーナメント形式ではなくリーグ戦形式であれば定期的&継続的にコンテンツとしてオンライン上でも発信可能です。

オンラインコンテンツとして発信し続けることで「リーグ&チーム」のファンを育みます。

その上で、チームでの対戦風景をフックにして、プレイヤー個人のこだわりや個性に落とし込んでいくことで、個人の活動への理解と共感機会も増えていくのではないでしょうか。

その結果としてリアルな来街・来店の動機につながります。

オンライン上でさまざまな体験・共感を経たファンが、より上質なリアル体験を求めても不思議ではないでしょう。

贔屓のチームとの特別な交流イベント、好きなプレイヤーとのリアル対面パーティなどの上質なリアル体験は、非常に高い付加価値を生むと考えます。

リアルな観光・集客によって「量」を求めるだけでなく、オンライン1stでコンテンツの「質」を高め、ファンを育み価値化を図るために「リーグ戦」見立て戦略は非常に有効ではないでしょうか?

 

3.方策B:街コンテンツの「大学」見立て

街を「丸ごと〇〇」に見立てると、特別な日、特別な場所となり、既存の用途やヒエラルキーを見直し、フラットで新しい関係を構築する機会が提供されます。

例えば街での活動を「大学」に見立ててはどうでしょうか。

大学を構成する「学部・学科」をそれぞれのコンテンツの特性に合わせて「健康学部」「環境学科」などとグルーピングした上でそれぞれの店舗・団体の集客イベントやワークショップを体系化していくのです。

このプロセスを通じて、単に「良いものを提供する」「美味しい料理を作る」といった自分目線ではなく、お客目線でどのような価値提供が可能なのか?を他の店との相対評価で検討できる機会になります。

渋谷の街を丸ごとキャンパスに見立てた「シブヤ大学」への協力を、当時の東急ハンズのトップにお願いに行った際に、下記のようなメリットを仮面といただきました。

  1. シブヤ大学内に「ハンズ学部」を作ればシラバスを検討するプロセスで「ハンズとは何か?」を考える機会になる。

  2. シブヤ大学で教える先生と学生という立場ができると、それまでのお客様と売り子という関係だけではないコミュニケーションが可能になる。

  3. 他の学部に協力する企業(例えばタワーレコード、 BEAMS)とも横の繋がりが出来る。などの効用を認識されていました。

まずは期間限定で「大学」など「街丸ごと〇〇」見立てをしてみてはどうでしょうか。

街の活性化はもとより、参画する事業者の求心力を高めたり、コラボレーションを通じた新規事業開発の機会が生まれます。

デジタル技術の進展により、時間・空間の制約を超えてネットワークすることが可能になりました。

街のコンテンツ「大学」見立て戦略は、街の価値向上の有効な考え方だと思います。

 
 
 

最新記事

すべて表示
第1章 AI時代、会社とオフィスはどう変わるのか:オフィスの行動OS ①

【内容】 1.工業社会から創造社会へ 2.オフィスの役割も変わってきた 3.企業文化が競争力になる時代 1.工業社会から創造社会へ 皆さんは、会社の強みとは何だと思いますか。 少し前までは、「品質が良い」「価格が安い」「仕事が早い」といったことが会社の強みでした。 工場で良い製品をたくさんつくり、効率よく届けることが企業の使命だったからです。そのため社員には、決められた仕事を正確にこなす力

 
 
 
第10章 参加デザインが変える未来 参加デザイン ⑩

【内容】 1.集客ビジネスは、新しい時代へ向かう 2.参加デザインは、あらゆる分野へ広がる 3.人が集まる街から、人が育つ街へ 1.集客ビジネスは、新しい時代へ向かう 本シリーズでは、「参加デザイン」という新しい設計思想について考えてきました。 人口減少や価値観の多様化が進む現在、従来のように人を集めるだけでは、持続的な成長は難しくなっています。 もちろん、魅力的なイベントや施設はこれ

 
 
 
第9章 参加を広げる 参加デザイン ⑨

【内容】 1.最高の広告は「参加者」である 2.「伝えたくなる体験」を設計する 3.集客は「集める」から「育て、広げる」へ 1.最高の広告は「参加者」である これまでの集客ビジネスでは、広告や宣伝が新しいお客様を呼び込む主役でした。 新聞やテレビ、折込チラシ、インターネット広告などを通じて施設やイベントを知り、興味を持った人が来場する。この流れが一般的でした。 もちろん、広告はこれから

 
 
 

コメント


Copyright © FIACS, All Rights Reserved.

bottom of page