【内容】
オフィスワークの質の変化
クリエイティブな視野の提供
街のクリエイティブ・サロン
オフィスワークの質の変化
コロナ禍を経て、リモートワークとE コマースとが定着しました。
これまでのように、出社を前提とした「快適なオフィス」ではなく、「わざわざ出かける価値のあるオフィス」が求められています。
さらに商品・サービスのライフサイクルがどんどん短命化し、母体となる企業寿命も20年程度と短くなってきています。
会社には、常に新規事業開発が求められているのです。
事務処理的な業務は、自宅で済ませ、オフィスワークに求められるのは、クリエイティブなグループワークではないでしょうか。
利便性や規模性だけでなく、「如何にクリエイティブな環境を提供できるのか」が求められているのです。
クリエイティブな視野の提供
企業のオフィスワークの価値はイノベーションの創出にあります。
そのためには、とにかくアイディアを捻り出すことが重要で、固定した自席と会議室との往復だけでは限界があるのではないでしょうか。
太刀川英輔氏の著書「進化思考」にもあるように、生物の生態になぞらえて、思考の補助線を予め用意した上で、課題解決の方策を検討していくと、思考のタコ壷に嵌まり込むリスクが減るようです。
最近は、会議室に色の名前や国名・著名人の名前などをつけることが、流行っているようです。
番号などの記号的な表現ではなく個性の発揮を狙っているようですが、一歩進めて会議室ごとに色々な視点を表現してはどうでしょうか。
「大空を飛ぶワシの視点」「地上を歩くヒヨコの視点」「さらに小さな虫の視点」「宇宙から見た地球の視点」など関連する写真などが掲示された会議室の中で考えることも有効だと考えます。
こうしたクリエイティブな視野の提供を求めていくと、ミュージアムの環境と、ワークプレイスとの親和性が高いことがわかります。
街のクリエイティブ・サロン
ミュージアムの一部をコワーキング・スペースとして活用し、会員制ビジネスを展開してはどうでしょうか。
「ミュージアムで仕事をする」って、かなりステイタスを感じると思います。
さらにリタイアした人たちも、「研究員」の肩書きでサードプレイスとして利用してもらう事も有効だと考えます。
自分がやりたいテーマを街に絡めながら、研究員の肩書のもと、地元でフィールドワークをしていくのです。
街に関して調べるために、街を歩き回り、調査・ヒヤリング・発表を行います。
行政や地元企業から、色々な相談事が舞い込むかもしれません。
研究員の肩書きは、自尊マインドも満たしてくれます。
このようにミュージアムが、クリエイティブな視野を提供するワークプレイスや、研究活動の拠点として、活用されるのです。
ミュージアムは、「街のクリエイティブ・サロン」になります。
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